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排尿障害

排尿障害とは

排尿障害のイメージ画像

排尿障害は、排尿に関する症状全般を指します。
症状によっては非常に煩わしく、日常生活に大きな支障をきたすことが少なくありません。また症状が軽微であっても残尿が多すぎる場合などは腎臓の機能にまで悪影響を及ぼすことや膀胱がんなどの重大な疾患が隠れている場合もあります。
排尿障害が認められた時には、早めに当院まで受診ください。
以下に主な排尿障害の症状と排尿障害をきたす主な疾患について解説いたします。

排尿障害の主な症状

  • 頻尿
  • 夜間頻尿
  • 排尿困難
  • 尿閉
  • 排尿時通
  • 尿意切迫感
  • 失禁
  • 残尿感 など

排尿障害をきたす主な疾患

  • 前立腺肥大症
  • 前立腺炎
  • 前立腺がん
  • 膀胱炎
  • 間質性膀胱炎
  • 過活動膀胱
  • 膀胱がん など

排尿障害、症状に関する
用語解説

頻尿
1日の尿の回数が7回を超える場合
夜間頻尿
就寝後翌朝気象までに尿意によって1回以上目が覚めること。中高齢になるにつれて、夜間頻尿に悩まされる方が増えてきます。前立腺の上側は膀胱に接しており、肥大すると膀胱を圧迫するため、頻尿の原因になります。男性の場合、前立腺肥大症によるケースも多いので、早めに泌尿器科を受診することが大切です。
排尿困難
尿が出にくかったり、尿の勢いが弱いこと(尿線細小)、出るまでに時間がかかること、出始めてから終わるまでに時間がかかること、途中で途切れたりすることなど
尿閉
膀胱に尿がたまっているのに尿が出ないこと。下腹部(膀胱)が緊満してあふれ出るような排尿しかなく、1回の尿量がほんの少ししか出ないこと
排尿時痛
排尿の前後や排尿中に尿道や下腹部、会陰部に痛みを感じること
尿意切迫
尿意を催したらすぐに排尿をしたくなり、漏らしそうになる感じ。あるいは実際にトイレまで間に合わずに失禁してしまう(切迫性尿失禁)
失禁
夜昼問わず尿を漏らしてしまう状態
腹圧性尿失禁
お腹に強い圧力がかかった場合、通常は骨盤底筋などの働きにより、膀胱と尿道を適度に締めることが出来ます。これによって尿が漏れるのを防いでくれるのですが、骨盤底筋に支障をきたすと、腹圧性尿失禁が起こります。くしゃみや咳、大笑い、急な立ち上がりなどでおこることがあります。
切迫性尿失禁
尿意が急激に起こり、排尿に間に合わない
機能性尿失禁
排尿機能は正常だが、身体機能の低下や認知症が原因で起こる尿失禁
溢流性尿失禁
膀胱に尿が十番している状態(尿閉)で、それ以上膀胱が貯留できないために、あふれ出るように少しずつ漏れ出てくる状態
残尿感
排尿した後でも尿が残っている感じ

排尿障害をきたす
主な疾患の解説

前立腺肥大症

前立腺は、尿道を取り巻くように膀胱の出口に存在する男性に特有の臓器です。精液の成分(前立腺液)を分泌する臓器で、前立腺液には精子を保護し、精子の栄養源になる働きがあります。前立腺が肥大すると、尿道を圧迫したり、前立腺の筋肉が過剰に収縮して尿道が圧迫されたりするため、尿が出にくくなるなどの排尿トラブルが起こります。詳細な原因は解明されていませんが、男性ホルモンの働きや生活習慣病、食生活などが関係すると言われており、一般的に加齢に伴って罹患率が高くなります。

前立腺炎

頻尿、排尿時の違和感や残尿感、排尿時痛など煩わしい症状をもたらします。完治は難しく、一般的には対症療法が中心となります。急性前立腺炎で発熱をきたし、入院加療が必要となる場合があります。

前立腺がん

一般的に前立腺がん初期では排尿障害をきたすことは少ないです。前立腺肥大症と合併して排尿障害がおこることがあります。

膀胱炎

頻尿、排尿時痛、尿混濁を主症状とする泌尿器感染症の代表的疾患です。

過活動膀胱

膀胱が過敏な状態になっているため、「トイレが近い」、「我慢できないような尿意がいきなり起こる」、「急にトイレに行きたくなり、我慢できずに尿が漏れてしまう」などの症状が見られるようになります。症状に基づいた疾患です。

間質性膀胱炎

「膀胱の非特異的な慢性炎症を伴い、頻尿・尿意亢進・尿意切迫感・膀胱痛などの症状を呈する疾患」(間質性膀胱炎診療ガイドラインによる)です。中高齢の女性に多くみられます。原因はよくわかっておりません。頻尿や膀胱の痛みによる苦痛から生活に支障をきたしますが、確立した治療法はなく、対症的な治療に留まっているのが現状です。

膀胱がん

血尿や頻尿などの排尿障害で見つかることのある泌尿器がんの中で代表的な悪性腫瘍です。

自己導尿

自己導尿とは

自己導尿とは、神経疾患や、膀胱、前立腺などの疾患が原因で尿を上手く出せなくなってしまった場合(尿閉など)に、それを助ける手段の一つとして行われます。排尿が必要なくらいまで膀胱に蓄積されたときに、自らの手でカテーテルと呼ばれる管を尿道から入れて尿を出す方法です。

自己導尿は、残尿に伴う尿路感染や結石や腎機能の悪化などの有害事象を避ける非常に有益な自己管理方法です。
当院では、自己導入を始める前に、治療に対する意識などを問診させて頂きます。ご不明な点がございましたら、当院までお気軽にお問い合わせください。
習得に時間がかかっても構いません。医師や看護師と相談しながら自己導尿をマスターするよう頑張りましょう。

自己導尿が必要となる代表的な疾患

神経因性膀胱
脊髄損傷、糖尿病、骨盤内の手術などが原因で膀胱内に貯留した尿を自己でうまく排出できない状態で、残尿が100ml以上になることや、尿閉をきたすことがあります。
前立腺疾患
前立腺肥大症などにより尿道が狭小化し、尿をうまく排出できず、慢性的に尿が膀胱内に尿が貯留することがあります。治療が奏功しなかったり、奏功するまでの期間、尿を排出するために自己導尿が必要になる場合があります。

自己導尿の方法

  1. 導尿の準備

    必要な物品、消毒の道具、カテーテル、ごみ箱などを準備します。
    できれば一回一回の導尿量を記録するための計量カップなどもそろえます。

  2. 手を清潔にします

    流水で丁寧に手を洗ってください。近くに蛇口がないときは、ウェットティッシュなどで代用します。

  3. 尿道口を清潔にします

    下着などを下ろし、導尿しやすい体制になります。
    尿道口を清拭綿で拭きます。

  4. カテーテルを挿入します

    カテーテルをケースから出します。必要に応じて潤滑剤を使用します。
    カテーテルを尿道口にあてます。力を抜いてゆっくりと挿入してください。

  5. 尿の排出

    尿が出始めるとリラックスして尿が出終わるまで待ちます。特に腹圧などをかける必要はありません。
    尿の出が止まったら、ゆっくりとカテーテルを抜きます。

  6. カテーテルの処理

    使い捨てカテーテルの場合は廃棄してください。
    再利用型のカテーテルを使用している場合は、カテーテルを水道水でしっかり洗浄し、消毒液の入ったケースに戻してください。

  7. 導尿量の記録

    毎回でなくても結構ですが、自排尿の量と導尿の量と輩出した時刻を記録してください。
    今後の導尿計画を進めるうえでの参考とします。

〒648-0072 和歌山県橋本市東家1丁目2-22

0736-33-1011
院長
稲垣 武
医師
稲垣 侑
診療内容
泌尿器科・皮膚科・外科内科
アクセス
橋本市保健福祉センター南隣
休診日:火曜午後、木曜午後、土曜午後、日曜、祝日
診療時間表 日祝
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16:00~18:30